2014年1月22日水曜日

父への誕生日プレゼント

アストル・ピアソラ
いいな~
と思いふける。

存命だったなら
ブエノスアイレス迄、
生の演奏を聴きに行ってみたかった。

普段は父に旅の出発を告げることも無いのだが、
丁度父の誕生日だったことも有り。
父に似合うだろうサングラスをプレゼント。
渡す時、旅の事も伝えた。

父は病で倒れた後、
少しだけだが、
外斜視っぽくなり、
というのは右目だけ黒目の動きが鈍く、
正面では普通なのだが、
振り向いたときや、
目線だけをこちらに向けると、
そういう風に見えてしまう。

外出する時にサングラスを掛け始めたのは、
病の後からだ。
治療してもしばらくすると、
元に戻ってしまう。

父が自分で購入してきた物は、
もうほんとに
怖い。
西部警察に出て来そうな、
それはNGでしょうと。
ワタシが選び、
プレゼントした。
ファザコンヨーコ。

30代、独身。

そして、
ここ数年は毎年、
新しいサングラスを
プレゼントする。
出かける時には、
公私選べるように、
そして季節や雨天に応じて。

今では、
トレードマークの様になってはいるが、
父は相変わらずの毅然的性格であり、
ワタシから受け取る際、
「ありがとう」
喜びの感情は、
薄いが、
外出時には必ず掛けてくれているので、
内心は小躍りするほど嬉しいはず。

ワタシもカッコいい!
素敵!
ダンディーパパー!!
わーーい!
なの。

だが、

姉夫婦の
子供たちは、
父=祖父に
まったく
近寄ってこない。

喜怒哀楽表現の極端に少ない。
祖父を
スナイパーか、
ヒーロー活劇の悪役を見るように、
恐れ怯える。

父は、哀しい。

孫達と触れ合いたい。
よしよしと
抱きかかえたいのだが、
小学校の低学年。
幼稚園の子らは、

父がしゃがんで
ほら追いで~と
嗄れ声、
孫の名前を呼んだら

孫、逃げて、泣きだす。

父と姉夫婦、
困惑。
くすくす笑う母、

ワタシは傍観。

父はサングラスを外して
せいいっぱいの笑顔を作ってみても。

瞳が大きく、しかも、
外斜視気味なので、

子供らはさらに大泣き、
落ち着くまで、
一旦
書斎に避難。

というのが
ここ最近続く。

哀しい父。

ワタシは繰り返しの
父の言葉、
もう聞きたくない。
決まり文句、
「結婚は? お相手は?まだか?」
会えば必ず言われるこの数年間。

今年に限っては、
意外な言葉をくれた。
「今、出来ること、今しか出来ないことを
やればいい。洋子の生きたいように
悔いない様、過ごせばいい。
健康にくれぐれも気を付けろ。
無理は、するな。」

結婚は諦められたのかな?
もう。

というか言っても
始まる話では無いのであって、
そっとしておいて欲しいなって気持ち、
伝わったかのかな?

今年はプレゼントを手渡し出来たのが、
良かったのか。

チクチク刺さる質問に
答えることも無く、

ワタシの健康や、
仕事を気遣う言葉が、
会話に出てきたことを
嬉しく思った。

ワタシは
今回の旅行・海外出張を
父に初めて事前に伝えることが出来た。

熱海は良いぞ!
とか、
日光も!
とかの視野でしかない父だが、

今、出来ること、
今しか出来ないことを
やればいい。

と言ってくれたことに
父の愛情を感じた。

 https://www.facebook.com/sakaidoyouko

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