2013年12月17日火曜日

「ワタシの恩師」①中学高校時代

プロフが知りたいというメッセージが有りましたので、
さかのぼって青春時代から現在に至る迄をすべて記していきたいと思います。
詳しく書くと本5冊くらい軽く出来そうな半生です。
まずは、この時期師走になると思いだす。我が恩師について。
「ワタシの恩師」①中学高校時代
※注意
自己満です。興味ある人だけ聞いて下さい。面白さ零です。

中学か高校か忘れたが、
今でも変わらず、尊敬できる教師が居る。
中学3年だったかな?あぁ名前言いたいな~。
でも
自己満ノートなので本人の許可なくは言えない。
ワタシ達女子生徒の間では賢者と呼んでいた。
風貌は若い日のレオン・カーフェイそっくり。
当時、30代後半、
げっ!
ワタシもう年近いやんけ!

レオン教師は、他の教師達と違い、
授業前に必ず行う儀式が有った。
1分間の黙想を行う。
教室に入ると、教壇に立ち。
「おはよう諸君。さ、目を閉じて。」
生徒一同目を閉じ。
1分の黙想
「よろしい。さあ目を開けて。」「出席を取ります。・・・」
と始まる。

ガヤつく賑やかな休憩時間からたった1分で生徒達を
静粛な教授の空気へと変える。

毅然とした姿勢。
生徒を諸君と呼び、ひとりひとり
出席を取りながら優しく気遣う。
「おい坂井戸君、今日、顔色悪いがどうした?」
(女子生徒も君を使う)
物静かな先生。たまにユーモラス、雑学、雑談も興味深く楽しい。
黒板はあまり使わない。言葉で授業をする語りの教師。

だが先生の授業には、静かな中にも、
情念と、生徒を導く、不思議なオーラが有った。
嫌味も無く、いつも清潔で、さらさらの髪、服装もバランス良く
整っていてオシャレだった。

モテる教師だった。
女子生徒にでは無く、若い女性教員に大人気だった。
あと、
お母様方、
キャーキャー言う。
参観日なんぞ、後ろがうるさい!
1分の黙想もお構いなしか。
かっこいいーとか、あの噂の、レオン様よ!とか。
違う教室からも集まってくる。
おい親達、参観日だが、こっちは、受験やら、期末テスト前やらで
ピリピリしてんだ!って
ここでレオン先生、思わぬ行動。
「保護者の方々、今日は特別な日では有るが、今は授業中だ、
静かに出来無い者は即刻出て行ってくれ!」
と怒り叱った。
お母様方を退室させたのだ。
廊下で立ち見、前代未聞の光景。

ワタシ含め生徒は先生の行為に驚いた。
授業の大切さを説いた出来事。
毅然とした姿勢貫き。母親連中も一瞬で静粛になり、
廊下からの観覧、賑やかさが消えた。
それほど教育者として、真面目に静かな情念。

文学の教養とユーモアのセンスは抜群。低いが深く響く声。

生徒に怒鳴ったり、ちゃらけたり、無駄~なオヤジ臭い話は一切言わない。

どちらかというと学者っぽい、こと現代文に関しては博識・博学。何でも知っている。
ちょっと荒れた生徒も、不埒なヤンキーモドキも、ハナタレ小僧も、
先生の授業中だけは静かだった。
教会の日曜学校のような神聖な空気だった。
その空気がワタシは好きだった。

ある日、
いつもの黙想中、
1分の黙想が少し違った。
よろしい、目を空けてが無い?
黙想中、
先生は皆に静かに
質問を始めた。

「諸君、そのまま目を瞑ったまま、
黙ったまま。私の質問を聞きなさい。」

あなたの尊敬している人は
誰ですか?

あなたの先輩は
誰ですか?

あなたの後輩は
誰ですか?

あなたのライバルは
誰ですか?

あなたの好きな人は
誰ですか?

あなたの愛する人は
誰ですか?

あなたを愛する人は
誰ですか?

あなたの今の目標は
なんですか?

あなたは将来どんな職を
していますか?

あなたはあなたの未来を今
感じて語れますか?

あなたは今日すべき事すべてを
分かってますか?

あなたは今、幸せですか?

ゆっくりと
ひとつ
ひとつ
質問をする。

目を瞑って、
問われた言葉に
自然と出て来る人、顔、夢、

ゆっくりと目を開けて。
答えはあなたの胸に有る。
誰にも言わなくていい。
出てきた答え、
答えられなかったこと、

それらが今のあなたです。
レオン先生。

こういうのが
ごくまれに有った。
ワタシはこの黙想の中で
自問自答する行為。
今でもこの先生の質問の時間を
自分で作る。

もう何年もやっている
レオン先生が教えてくれたこの行為を
今も大事にしている。

個別の進路相談の時、
素朴な質問をした。
先生はなぜ現代文の、
学校の教師をするようになったのでしょうか?
先生は珍しく、
まっすぐな眼で質問したワタシに
少し戸惑いながらも、
教師では有るがひとりの
人間として語り始める。

僕は学生時代に憧れの先生が居たのです。
現代文を教わっていた女性教師を尊敬していた。
というかたぶん好きだったのだろう。
その女性教師は、レオン教師が在学中に
若くして肺炎で無くなったのだ。
彼女の授業は最後のカリキュラムまで終わらずに学校から居なくなった。
教室の後ろに、花束。手紙。みんなで撮った写真など、飾られた。
卒業を迎えても。
彼の心の中では、
授業の途中。
途切れたままなのだ。
今もまだ。
その影響もあってか、
彼女の授業を受けられなくなった想いは、
少なからず彼を現代文を教える教師の道へと
目指すきっかけになったのだと。
語った。
女教師が存命の時、
たくさん頂いた書籍、辞書を職員室の机に、
何冊か並べている。
レオン先生。
ポーカーフェイスでどこか哀愁の有る雰囲気も、
授業と生徒を大切にいつも毅然とした姿勢。
1分間の黙想も憧れの女教師の影響。

こういう過去があったからこそなのか、
まだ幼いワタシにも先生の悲しみや、
授業の尊さを感じ、ワタシも率直に
尊敬と影響を受けている事を伝えると
そう言ってくれると嬉しいな。
ありがとう。
と、悲しく微笑んだレオン先生。

風の便りで恩師、
レオン先生は現在教頭先生をしていると聞いた。
数年前の同窓会には出席しないことを知り、
ワタシの方も仕事の都合が有り。
結局参加は断った。

レオン先生はワタシが尊敬する教師でも有るが、
当然ひとりの人間でも有る。

ほほ笑ましく思た日があった、
丁度クリスマス前の休日だった。
当時、学生のワタシは、
偶然にもレオン先生を街中で見かけたのだ。
奥様とお子様を連れ、
買い物袋をたくさん持ち、
3人手を繋いで歩いていた。
普段学校では見せない、
プライベートな家庭の父親。
優しいお父さん、良き夫の姿だった。
買い物を済ませた帰りのようだ。
そこには笑顔に溢れた。
家族の幸せが有った。
奥様はこれまた容姿端麗の美しい方だった。
子供は父、母に両手を繋がれ、
はしゃぎながら不慣れなスキップを繰り返す!

この時期にはふと、
あの日のレオン先生の満面の笑顔を思い出し、
レオン先生の、教育者としての毅然たる姿勢、
黙想と「あなたへの質問」を思い出す。
ワタシの尊敬する
恩師のひとりである。

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